下諏訪の桜
我が故郷・下諏訪町には、長野県内でも有数の桜の名所である「水月公園」がある。また、市街地と水月公園の間、急傾斜の山腹をトラバースするように抜けるのが国道142号、通称「花見新道」である。この街道沿いには桜の古木が立ち並び、満開になれば絶好の散策路となる。
かつては街道の両側に桜が連なり、まさに「花のトンネル」と呼べる状態であったらしいが、戦後、道路の拡幅や老木化等により多くが伐採されてしまったようだ。実に残念ではあるが、しかし、堂々たる古木の枝に無数の桜花が咲き誇る姿は十分に見応えがある。
この日は快晴。初夏とも言って良いほどの爽やかな陽気の中、久しぶりに故郷の街をぶらぶらしてみたくなった。
まず、自宅から諏訪大社下社春宮へ向かい、境内から「木落し坂」を登って(かなりキツい+危険)花見新道へ。ゼエゼエ言いながらも、辿り着けばそこは桜の咲き乱れる極楽浄土。疲れも吹き飛ぶ。あとは満開の桜の下、緩やかに下りながら秋宮へ。夕刻の斜光の中、暮れ行く街並みを背景に眺める桜は良いものである。
残念な事に、秋宮までの道程で出会った人はほんの数人であった。猛スピードで駆け抜けて行く自動車の多さに比べると寂しい限りである。これだけの資産とも呼べるものがありながら、殆ど活かされていない。観光客や地元民が安全・安心に散策できるような歩道もろくに整備されていないのがこの町の現状なのである。財政難なのは理解できるとしても、町は商業施設やモニュメント的な物に注ぎ込む金を他に回せる筈なのだが・・・まあ、多くは言いますまい。
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